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アイディアの起源「国」?

okumayuji1

古来より人類は病気に罹ったら、「まじない」や薬草に頼ってきた。薬草は地域、部族、村に根差していて、各地域に先祖代々伝承されている。日本でも各地に存在していた。一方、製薬会社は、新しい薬(創薬)のヒントを2つの方法で得ている。ウエットラボとドライラボとも呼ばれているようである、一つは、自然界にある植物、菌類などをすべて分析して創薬のヒントを得る方法、もう一つはコンピュータで合成物を作り、そのうちから有望なものを絞り出し効能、安全性を試験(臨床試験)して創薬する方法。

先日、2024年5月24日にWIPOで採択に至った条約(下のリンク)は、前者に関する。地域、主にはアフリカ、ラテンアメリカ、インドなどの発展途上国に伝承されてきた薬草を、先進国の薬の大手会社(創薬会社)が、その効能がある植物を持ち帰り、研究室で分析し、最終的には新薬を大量生産する。この例では、地域の住民にとっては、先祖代々の知的財産が盗まれた(バイオ パイラシー)、薬の会社はその地域に利益を還元すべきだと主張することになる。前述の条約はこの間を調整する役割の一部を果たす。発効すると特許出願の書類には原産国を表示することになる。自分のアイディアを大切にする、他人のアイディアを尊重するのが知的財産制度です。





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特許解説者 大熊雄治 
大熊国際特許コンサルティング事務所弁理士(登録番号22034)
特許庁元
審査官、国連機関WIPO元職

​東京都稲城市 茨城県日立市

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